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恐怖!「人食いバクテリア」の来襲

「人食いバクテリア」の患者数がこの10年間で最多に
「人食いバクテリア」とも言われ、発症すると手足の壊死などを引き起こし、劇症化するとショック死に至る「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者数が、8月30日までで既に299人に達し、過去最多だった昨年1年間の270人を上回り、この10年間で最多となったと国立感染症研究センターが発表した。

「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」とは、おもに「A群溶血性レンサ球菌」によって引き起こされる感染症で、特に持病を持っていないにも関わらず、突然発症し、手足の痛みや血圧低下などを経て、急速に病状が進行し、数十時間以内には壊死や、呼吸困難、多臓器不全などを招いて、ショック死に至るケースもある。

都道府県別に見ると高知県を除く46都道府県で感染報告が寄せられており、最も多い東京で47人、大阪で28人、神奈川で23人と都市部を中心に患者数が増える。このうち、死亡者数は、6月中旬までに70人を超えた。治療にはペニシリン系の薬剤の大量投与が一般的だが、昨年までの3年間に報告された712人の患者のうち、死亡した207人が発病して3日以内に死亡しており、なかには発病当日か翌日に死亡したケースも目立つため、早期治療が不可欠だ。

「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」を引き起こす「A群溶血性レンサ球菌」は、おもに子供の咽頭炎の原因として知られるが、劇症化すると、成人まで幅広く感染し、そのメカニズムはいまだ解明されていない。死亡率は約30%と高く、患者の年齢は60代から70代が多いことから、国立感染症研究所では「高齢者は激しいのどの痛みなど、疑わしい症状があれば、直ちに医療機関を受診してほしい」と話している。
9月8日
2015年