だいきろぐ

記録的ないろいろ

今、そこにある危機。南シナ海最前線

2015年

9月16日:中国の南シナ海埋め立てを米国防長官が非難
カーター米国防長官は首都ワシントン郊外で講演し、南シナ海で岩礁埋め立てなどを進める中国は「国際ルールと規範を逸脱している」と非難。埋め立ての「即時かつ永続的な停止」をあらためて求めた。
習近平国家主席の訪米を控え、米中両国の主要な対立点である南シナ海の領有権問題で妥協しない姿勢を強調したとみられる。
長官は一方で「軍事的な解決はあり得ない」として、この問題の平和的、外交的な解決策を支持。あらゆる当事者の権利と利益を守る持続的な外交解決の努力をするべきだと訴えた。

9月6日:フィリピン国防省が中国の軍事パレードを批判
中国で行われた「抗日戦争勝利70年」を記念する大会での軍事パレードについて、フィリピンの国防省は6日に声明を出し、「平和に向けて努力することは歓迎するが、それならば、なぜ軍事力をみせびらかしたのか」と軍事パレードの実施を批判した。さらに「中国の指導者は偽りに彩られたことばから脱却するべきだ。中国は、南シナ海で埋め立てた場所で進めている施設の建設などを中止するとともに、航行や飛行の自由を制限するのをやめるべきだ」と訴えた。

中国の北京で3日に行われた「抗日戦争勝利70年」を記念する大会で軍事パレードが行われ、習主席は「中国は一貫して平和的な発展の道を歩み続ける。中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張路線をとらない」などと演説。
9月3日

中国外務省の華春瑩副報道局長は、南シナ海での領有権をめぐりフィリピンが仲裁を求めている常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)での審理について「あらゆる仲裁手続きに反対だ。中国に強要するやり方を絶対に受け入れない」との談話を発表。「中国は南シナ海問題の被害者だが、地域の平和を守る観点から抑制を保ってきた」と主張。フィリピンに対して、裁判ではなく2国間協議による解決という「正しい路線」に戻るよう促した。
7月14日

中国の李克強首相はベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相と北京で会談し、南シナ海の領有権問題を念頭に李氏は「中越両国の共通利益は意見の違いよりもはるかに大きい。伝統的な友好関係を守り発揚しなければならない」と共産党同士の連帯を呼び掛けた。ミン氏は「ベトナムは中国との関係発展を外交の優先目標にしている。意見の違いを適切にコントロールしていきたい」と応じたという。ベトナムとの協調姿勢を対外的にアピールすることで、米国などの南シナ海問題への介入を阻止したい狙いがあるとみられる。
6月18日

  ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は記者会見で、中国が岩礁埋め立てなどを強行している南シナ海で「航行の自由や飛行の自由の原則が脅かされている」と述べた。23日からワシントンで開く「米中戦略・経済対話」では、南シナ海をめぐって高まっている緊張の緩和を中国側に迫る考えを強調した。ラッセル氏は、北朝鮮核問題や地球温暖化対策などで米中両政府は協力しているとした一方、南シナ海問題では「大きな対立がある」と指摘。「われわれは、フィリピンやベトナムなどの小さな漁船が、堂々と公海上を航行できる南シナ海を望んでいる」と訴えた。

国務省のカービー報道官は会見で、南シナ海の岩礁埋め立て工事を「近く完了させる」とした中国の発表に「埋め立て地の軍事拠点化は続ける意向を示している」とし、「緊張を高めるだけだ」と述べ、埋め立てと施設建設の両方を停止するよう要求した。中国の発表をめぐっては、米中両政府が23日から開く「米中戦略・経済対話」を前に工事に一区切り付ける姿勢を見せ、対立の先鋭化を避ける狙いがあるとの観測が出ている。カービー氏は「南シナ海を不安定化させるような行動に対するわれわれの見方は何ら変わっていない」とした。
6月17日
  
ドイツ南部エルマウ城で開かれていた主要国首脳会議(サミット、G7)は首脳宣言を採択して閉幕した。中国による南シナ海の岩礁埋め立てに関し「現状の変更を試みるいかなる一方的行動にも強く反対する」と明記し、中国の野心的な海洋進出を牽制した。
6月8日

安倍晋三首相が来日中のフィリピンのアキノ大統領と会談。中国による南シナ海の岩礁埋め立てについて「深刻な懸念を共有する」とした共同宣言を発表。防衛装備品に関する移転協定締結に向けた交渉を開始することで合意した。日本とフィリピンが海上安保で連携を強めることで中国をけん制するねらい。アキノ大統領は安保関連法案の整備を含む日本の「積極的平和主義」の取り組みを評価。日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りも支持した。
6月4日

国防総省のスティーブン・ウォレン報道官は記者会見で、南シナ海で中国が建設する人工島の1つに兵器の存在を確認したことを明らかにし、「これらの島々の軍事化はわれわれが反対するものだ」と語った。確認された兵器は2基の砲撃装置。
5月29日

台湾の馬英九総統は関係各方面が主権争議を棚上げし、資源を共同開発することで、平和的に解決をめざす「南シナ海平和イニシアチブ」を提起し、南シナ海を「平和と協力の海」にしようと呼びかけた。
5月26日

中国共産党の機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は社説で米軍機による南シナ海での警戒・監視活動の強化に関して「南シナ海における中米軍事衝突の可能性は確かに過去より高くなった」と警戒を示した。
5月25日

中国軍の孫建国副総参謀長は、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議での講演で、南シナ海での埋め立てについて「完全に主権の範囲内であり、合法で道理にかなったものだ。航行の自由には影響しない」と主張し、米国の埋め立て中止要求を拒否した。さらに人工島の造成についても、孫氏は軍事目的であると公言。南シナ海での防空識別圏設定の可能性を問われて、「上空での安全がどの程度脅かされているかなどを総合的に判断する」と述べ、否定はしなかった。
5月
2015年

中国がに西沙(パラセル)諸島の永興(ウッディー)島に海南省下の市政府を置き、南シナ海一帯での行政機構整備を進める。
2012年

中国が西沙諸島実効支配ベトナムなども領有権を主張。
1974年